紙の目

 

紙の目とは?

紙には目があるのはご存知でしょうか?目といっても目玉があるわけでは無く(笑)この場合は「繊維の向き」という意味で使用しています。そう、紙には目(繊維の向き)があります。一見縦も横も無いように見えて目(繊維の向き)が存在します。
実は下げ札を作成する際にもこの目を意識しないと失敗することがあるので注意が必要です。

紙の目

 

目はどうやってできるのか?

紙はパルプから出来ているというのはご存知でしょうか?パルプは主に木や植物の繊維を取り出したものです。これを洗浄、漂白しドロドロの状態にします。和紙の紙抄きを想像していただければ判りやすいのですが、水の中に紙の原料になる繊維をドロドロの状態にしたものを用意して、それを掬い取って一枚一枚の紙に仕上げていきます。和紙とは方法が違いますが機械で紙を抄くときはこのドロドロの紙の原料を噴射し固め乾かしながらトイレットペーパーのように繋がった状態で巻き取っていきます。このとき噴射されて流れていく方向により繊維の方向(紙の目)が決まります。

目の方向

 

印刷用紙の目はカットする方向で決まります。


紙にはタテ目とヨコ目があります。これはトイレットペーパーのようにロール状に巻き取られた紙を適切な大きさにカットしていく際にタテ方向にカットしていくするのか、ヨコ方向にカットするのかによって決まります。

タテ目
タテ目

ヨコ目カット

ヨコ目
ヨコ目

 


目の見極める方法

目の方向を知る一番早い方法は破いてみることです。紙は繊維に沿って破くとまっすぐに破れますが繊維に逆らって破くとまっすぐには破けません。近くに新聞紙があれば破いてみてください。綺麗に破ける方向とそうでない方向があるのがお解かりになると思います。
目の方向に破くと綺麗に裂けます(目の方向↓↑)
目を破いて確認1

目に逆らって破くと汚くなる(目の方向←→)




次に紙を軽く曲げてみる方法です。縦向き横向きと向きを変えて曲げてみると硬く感じられる向きとやわらかく感じられる向きがあると思います。繊維に沿って曲がりやすい性質を持っていますので曲げることによって判断できます。只、薄い紙ではどちらにはかなり判りにくいと思いますのでその場合は破いてみることで判断できます。
(左は目の方向が←→)(右は目の方向が↑↓)

目曲げて確認


次に小さく切った紙を水に浮かべてみる方法です。繊維が水を吸うと繊維が伸縮し目が流れていない方向に湾曲します。
目水で確認


 

目の選び方


下げ札を作る際にも紙の目を意識しながら選ばなければなりません。下げ札は商品にぶら下げた状態で上下方向に目を通した場合は下げ札の紙が厚く、硬い紙に感じさせることができます。これを横方向にすることによってしなやかな柔らかさを表現することができます。当社で作られる場合は上下方向(厚く硬い)にする場合が多いですが、加工や使用目的により目の向きを変えなければならない場合もありますのでご注意ください。
下げ札の目

注意が必要な場合
●折り罫を入れる場合や二つ折りの場合
紙は目に逆らって折った場合に折り目の頂上部分が裂けてしまうことがあります。折り罫を入れる場合や折る場合は折り目に平行に紙の目が通るようにしなければなりません。
目折り罫注意

●ミシン罫を入れる場合
後で切り取ることができるようにミシン罫を入れる場合はミシンの方向と紙の目の方向が交差していると商品で押されたり、手で触った時など、圧力や力が加わった時にパキッと折れてしうことがあります。ミシン罫と平行に紙の目を通すようにしなければなりません。
目ミシン罫注意

●印字機を使用する場合
印字機にもよりますが多くの印字機は印字ヘッド(印字をする部分)に平行に紙の目が通っている方が印字が鮮明に表示されやくなる傾向があります。紙の目が垂直に通っていると紙が湿度などで少し湾曲した場合印字する部分の左右と中央の圧力が変わってしまい印字が鮮明に表示されない場合があります。バーコードなどが入る場合は特に注意が必要です。

●特殊紙の場合
紙の銘柄によりどちらかの目しか存在しない紙があります。その際は無条件のその目を使用しなければならないのでご注意ください。


 
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