表面加工、仕上げ加工

 

●表面加工


    表面加工で安心
表面加工は印刷面の保護をし、商品への印刷インクの付着を予防する役割があります。また見栄えをよくする為にすることもあります。表面加工は必ずしも必要というわけではありません。印刷する面積や紙の種類や印刷の種類によりしなくてもよい場合もあります。
下げ札を作成する場合はパンフレットやポスター、チラシとは違い商品に接する場合がほとんどです。印刷した紙がインクを吸い込まないものは紙の表面にインクが乗っている状態になります。もしその部分が商品に強く押さえつけられた場合、またこすれた場合にインクがはがれて商品に付く可能性があります。インクをたくさん使用するベタ印刷の際に特に注意が必要です。その可能性を少しでも低減する為に表面加工は出来るだけして頂きたいです。インクを吸い込むタイプの紙であってもベタ印刷の場合は事故の可能はありますのでやはり表面加工はしたほうが無難だといえます。


 

ビニール引き

今回ご説明する表面加工の中で一番安価な加工がビニール引きです。ビニール引きはビニール系の樹脂を紙表面にコーティングし熱で乾燥させます。光沢はほとんど出ません。インクの色移りを単純に予防するためのみに加工します。

ビニール引き工程



 

プレスコート

ビニール引きよりは少し高価になります。プレスコートは紙の表面に樹脂を塗り乾燥させ熱い鏡面のローラーで圧着しツヤを出します。ツヤを出し下げ札の見栄えを良くする加工としてはコストパフォーマンスを考えるとベストなものだと思います。ビニール引きと同様に表面の耐摩耗性をアップさせさらにツヤを出します。プレスコートをした場合はインクの濃度が少し濃く見えるので注意が必要です。

プレスコート工程



PP貼り

今回ご紹介する表面加工の中で一番高価なのがPP貼りです。PP貼りはラミネート加工の一種で、ポリプロピレンのフィルムを紙表面に貼りつけてツヤを出す加工です。ビニール引きやプレスコートは違いはじめから光沢のあるフィルムを貼り付けるので印刷面を完全に保護します。又フィルムの分、厚みや粘りも増し、かなり強度が増します。ただ印刷した状態より濃度が濃く見えるのと、下げ札を長く保管した場合、紙の伸縮により紙が湾曲する場合がありますのでご注意ください。

PP貼り工程

 

 

●箔押し

高級感のある下げ札を作成するのにとても効果的な加工が箔押しです。ホットスタンプとも呼ばれています。箔押しをするブランド名やマーク、柄などの版を作成し、熱をかけて下げ札にハンコを押すように箔を押していきます。箔は金や銀が最もポピュラーですが、カラーの箔やレインボー色のものなどさまざまなものがあります。ただカラーの箔は金や銀の箔に比べて耐摩耗性が低いので特に下げ札に使用する際には注意が必要です。

●浮き出し

箔押しは凸版で上から押すのと違い。下に凸版、上に凹版で押すと紙の表面におうとつが出来ます。その凹凸で文字や柄を表現するのが浮き出しです。印刷や箔押しと違い立体的に表現できるのでオリジナリティーを出すには大変効果的といえます。
 

●仕上加工


裁ち仕上げ

表面加工や箔押しなどの加工が終われば下げ札の形状を作っていきます。下げ札の場合一枚が大変小さなものになるのでこれを沢山並べて印刷します。一枚の紙を加工すれば下げ札が並べた数量分出来上がります。下げ札が四角形であれば型は必要ありません。角が丸い場合も後で角を落とすことが出来るので型はいりません。
裁ち仕上げは断裁機で行います。断裁機には大きな包丁のような刃が付いていて紙をまとめて直線的にカットすることが出来ます。長方形や正方形以外の加工は出来ません。


断裁




抜き加工

四角形以外の変形に仕上げる場合には抜き加工をします。抜き加工はトムソン抜き、ブッシュ抜きの2種類の抜き方をしています。

トムソン抜き
形状が複雑な場合や大きい場合はトムソン抜きで仕上げます。トムソン抜きは印刷した下げ札が複数付いた状態と同じ型を作成します。(1枚に9枚付いていたら9枚分一度に抜ける型を作ります)
型は木でできており抜きたい形に曲げた刃が埋め込まれます。
抜き方は印刷した状態の下げ札が複数枚ついた紙を一枚づつ機械に入れて型を押し付けて抜いていきます。トムソン抜きは完全に抜きたい形に切り離すのではなく数箇所点で残しておきます。(機械の中でバラバラになると自動化できない)そして後でそのつながった部分を手で切り離します。注意としてはそのくっついていた部分が数箇所、点として残ることです。また、その型を使用する場合ば同じ位置に同じ枚数つけないといけません。




ブッシュ抜き
ブッシュ抜きは下げ札1枚分の金型を作成します。トムソンの型は木の型に金属刃を埋め込むのと違いブッシュは金属を削り出して型を作成します。断裁機で少し大きめにカットし抜き型をセットした機械に並べ型に押し付けて抜いていきます。1枚ごとの型なので同じ形状のものでも付け方は自由になります。注意点は抜き型に押し付けて抜いていくので断面が微妙に荒れる場合があります。まん丸の形状であればいくつか所持している型がありますので丸い下げ札をご希望の際はお問い合わせください。




 

角丸加工

裁ち仕上げで長方形や正方形にカットした下げ札の角にRをつけます。つけるというか厳密にいうとRの付いた刃で角を削ぎ落とします。商品に直接接する下げ札は特に繊維製品や傷の付きやすい商品の場合角を丸くすることをお勧めします。Rの大きさはさまざまあります。基本的には下げ札の大きさに応じて判断しています。ご希望があればある程度お答えすることは可能です。大きすぎるRをご希望の場合な抜き加工になる場合があります。
角丸

 

折罫入れ、ミシン罫入れ

二つ折の下げ札を作成する場合に折罫を入れることが出来ます。又刃を替えればミシン目も入れることができます。下げ札を二つ折にする場合は糸を通す穴も2箇所になることが多いので折った状態での穴の位置とデザインの関係を注意しなければなりません。またミシン目を入れるとミシン目のところから折れやすくなるので取り扱いに注意がいります。

穴明け

下げ札に穴を明けます。糸付け機で糸を付ける場合は明けません。穴の大きさもいろいろありますのである程度ご指定いただけます。穴の位置もお好みに合わせて明けることができます。穴の形状は丸のみです。
穴の大きさは穴あけ専用機で3mm〜になります。それより小さな穴が必要な場合は糸付け機にて〜2.3mmの穴あけが可能です。




 
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